June 2016

それでは国内の中国語書店はどうなの? -東方書店-

現地書店を見てきたら、今度は国内書店の動向や展開が気になったので、神保町へ行っていきました。

目的地は内山書店と東方書店。

これまでこれらの書店には何度も足を運んでいましたが、
現地書店を見てきたばかりだったので、これまでとは別の視点で眺められました。

ではまず東方書店です。
訪れたのは中国の現地調査から5日後の6月24日です。

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知る人ぞ知る、神保町のすずらん通りにあります。

訪問の趣旨を伝えたら、写真を撮ることを快諾してくれました。
もう「どうぞ、どうぞ!ぜひぜひ!」という感じで(笑)

原書目当ての方は、店内に入って2階へ直行してください!

この棚があなたを迎えてくれます。
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ポップが貼られているあたり、中国の書店と違いますね。

クローズアップして見ていきます。

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「結構揃っているんだ」という感想をいだきました。

右奥にも原書コーナーがあります。

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史铁生がある!

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ONEシリーズもありますね。《我们从未陌生过》は今読んでいる本。

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莫言もありますね。

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余华もあります。《活着》しか読んだことないので、そろそろ他の作品にも手を出そうかな。
右の方にある《炸裂志》。私にとって残念な作品でした。ここに存在しているということは、お勧めなのかなあ、う~ん。。。

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第8回原書会で紹介されていた本を発見!読みたいな!

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こちらは前回原書会にて紹介がありました。読みたいな!

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む、虫の世界?気になります。

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李少聪が柴静について書いたこの本、現地では見かけませんでした。

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《万物生长》は2015年にドラマ化されていたようです。見てみたいなあ。まずは読んでから!

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国内書店でよく見かける王安忆の本。1冊も読んだことがないのですが、こうやって陳列されているのを見ると気になるものです。

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严歌苓の本は《陆犯焉识》がありましたが,毕淑敏・海岩の作品は見かけませんでした。数年前は必ずあったのですが。

東方書店は、現地と時差はありつつも、"今売れている作家"、"ロングヒットを生み出す作家"、"中国語文学では必ず読んでほしい作品"を意識してバランスよく本を陳列している印象を受けました。

現地のあれだけの本を、この2つの棚(実際は翻訳本コーナーもありますが、ここでは中国語の作品に限定しています)に集約して本を選定するのは難しいでしょうね。

では、内山書店はどうなのでしょう?

つづく

現地の書店情報に飢えているあなたへ送る第1回・中国現地書店レポート【北京編】三連韬奮書店 その3

三連書店、最終回です。
 
海岩の時代は終わってしまったのか

王府井書店と三連書店で「おや」と思ったことがありました。
海岩のコーナーがないのです!!

今まで訪れた書店では探さなくてもすぐに目に入ってきたのですが、今回は2書店とも専用コーナーがありませんでした(王府井書店では確認しませんでしたが、三連書店では3冊だけありました)。

2011年の秋に大連の書店へ行った際には、作品全てではないものの、10作品ほどは揃っている陳列棚がありました。留学していた2008年には、ハルビンの書店にもっと広い面積で陳列されていたのを覚えています。

余华,毕淑敏,严歌苓,韩寒などいつ訪れても専用コーナーを構えている作家とは異なる扱いで寂しさを感じました。

実は以前熱烈にはまったものの、最後の作品を読み、話の展開に新鮮さを感じなかったことから、海岩熱はなくなってしまったのですが、それでも原書の楽しさに引きずり込んでくれた作家のブームが去ってしまったのは寂しいですね。《长安盗》以降、新しい作品は書かれていないようですが、新作品が出たら買うのは間違いありません。

海岩の名誉のために、我が家の海岩コーナーの写真を掲載しておきます。

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余华のコーナーはいつ行っても変わらぬ広さですね。王府井書店では写真を取り忘れてしまいましたが、もっと広かったです。

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严歌苓は作品の回転数が早い作家さんで、棚にあるのはその一部ですね。今読んでいる《老师好美》もあります。

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毕淑敏が書くような文章は”心灵鸡汤”と言われますね。ラジオでもこの言葉をよく耳にします。

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育児書コーナーも面白い

育児書も今回のお目当ての一つでした。写真はぼやけていますが棚のひとつ。×4程ありました。こんなにたくさんあると、選ぶのも至難の業です。。。

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背表紙をざっと見て気になったのが《一次管一生的教育》。
中身を見て、なるほどね、と思えることが書かれていたので購入しました。
《抓住儿童敏感期》と同名または似たタイトルの本を複数見かけました。
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日本語小説コーナーで白石一文さんの作品を発見!

白石一文ファンには嬉しい発見ですね。
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中国の本屋には自由がある

う~ん、強者です。

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これはまだかわいい。

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最期に

北京の書店レポートはこれにてひとまず終了です。

kindleを利用した現地での安い購入方法、空港の書店や、ホテルでの思わぬラッキーなお話などはまた別の記事で書きたいと思います。
また、今回の出張で購入した本は電子書籍含め30冊程になるのですが、書籍名と作家名の一覧をPDFファイルにまとめて、見たい方が自由にダウンロードできるように準備中ですので、しばらくお待ちください。

今回は2泊3日でしたが、1日目はホテルに夜中1時に到着、3日目は6時前にホテルを出るというスケジュールでしたので、見て回れる時間は1日だけでした。当初予定していた3軒の書店+ブックカフェ1軒はとても達成できませんでした。2軒ですでにお腹いっぱい。久しぶりにタイムラグなく現地書店で思う存分見てこられて本当に楽しかったです。このレポートを書くのもとっても楽しい時間でした。

私の自己満足に付き合ってレポートを見て下さった皆様、ありがとうございました!!

次回は年内にもう1回行きたいと思っています(^^)

最期に1枚。店内を回っているうちに、レジに持っていくのを忘れてしまった本の写真です。北京の書店巡りをした女性が出版した本で、中にはたくさん写真があったので、「これは紙の本で買おう!」と思ったものでした。買いそびれてしまって残念です。

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現地の書店情報に飢えているあなたへ送る第1回・中国現地書店レポート【北京編】三連韬奮書店 その2

三連書店は最新の本だけでなく、選りすぐりの本も十分に平積みしている印象を受けました。
 
平積みで気になった作家・作品

平積みで気になった作家と本を紹介していきます。

■陈忠实

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《白鹿原》と《蓝袍先生》。陈忠实の作品はまだ読んだことがありません。《蓝袍先生》には、この本に書かれている出来事が《白鹿原》を書くきっかけとなったとありました。どちらから読むのがいいでしょうね。

■许韬

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仕事がテーマのビジネス小説。この分野は《杜拉拉》シリーズ以降、めっきり読んでいなかったので、今回は購入。これを機に再びはまるかも(^^)

■刘同

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《谁的青春不迷茫》をはじめとする刘同の作品。現地で見た際は既に色々な本を眺めてお腹いっぱいで、「ふーん、こんな人もいるんだ」という程度に写真をパシャりと撮っただけでした。百度で調べたら、これは不安や迷いを抱えた若者への励ましを込めた作品のようです。映画にもなっているんですね。

■刘慈欣

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ありましたありました!刘慈欣の《三体》をはじめとするSF作品。第1部は面白かったのですが、難しさからまだ第2部に手を出せていません。忘れる前に早く読まないとですね。

■冯唐

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王府井書店その1でご紹介した冯唐の作品もしっかりありますね~。《活着活着就老了》の表紙、この写真の本の方が可愛いし、萌えますね。たまらない。。

■张晓风

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台湾の小説家・张晓风の作品です。小説も書きますが、散文が最も有名だとか。作品数の多い方で、36歳の時に台湾の散文家・トップ10に選ばれています。現在は75歳。現地にいた時に少しでもこの方について知識があれば、手に取った時のページのめくり方が変わっていたことでしょう。

■西西

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事後に自分の無知を呪いました。西西は香港の女性作家で、彼女に関しては、「香港で優れた小説家が誰かと尋ねられたら西西だ」「存命する中国語作家の中で西西はノーベル賞を受賞する資格がある」などの推薦の言葉を目にしました。装丁からてっきり若い現代作家で作品はライトノベルだろうと思っていました。今後読んでみたい作家リストに追加済みです。

■韩寒

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韩寒といっても、写真の本は韩寒監修のアプリ・”ONE”に掲載された短編小説を集めたものです。韩寒選りすぐりの作品を毎日1篇掲載するアプリです(現在は連載も始まりました)。このONEシリーズは今後ますます増えていくでしょうね。現在読んでいますが、短時間に一遍楽しめるので、隙間時間を利用した読書にぴったりです。


伝記が充実!

伝記がたくさんありました。手に取りきれず、写真でそれをお伝えします。

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外国人伝記コーナー
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中国人伝記コーナー
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ビジネス書選びでの悩み

ビジネス書の原書選びでは悩みがあります。国内書店で棚を見渡してぱっと自分が欲しい分野のものをすぐに見つけられるような感覚ではお目当てのビジネス書を見つけられないのです。私の理解力に問題があるのだと思うのですが、今回、本の前書きをざっくり読んでようやく、「ああ、これはちょっと違う」とわかり、買うのを止めた本が数冊ありました。 1枚目の写真の手前2冊がそれです。

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他のビジネス書も目を引くものがたくさん。

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こちらも気になりました。
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つづく

現地の書店情報に飢えているあなたへ送る第1回・中国現地書店レポート【北京編】三連韬奮書店 その1

王府井書店の次に向かったのは三連韬奮書店。

王府井大街を北へ真っ直ぐ行ったところにあります。三連韬奮書店は北京市内に複数あり、事前にネットで調べて評判が良かったのが、この美術館そばの三連韬奮書店でした。地下鉄では王府井から2駅で、駅から徒歩5分程。書店目の前にはバス停があり、複数のバスが止まります。ホテルの位置にもよりますが、行き来はバスの方が便利です(と事後に気づきました)。

2フロアの書店ですが、文学、伝記、ルポタージュ、ビジネス書が好きな人にとって静かに読書に没頭できる場所です。

 
読書愛好家に嬉しい24時間書店


写真からおわかりの通り、この書店は24時間営業です。

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“读・一夜”っていい響きですね。

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入店すると右手の壁には週間ベストセラーが貼られていました。
三連韬奮書店には同書店の本も販売されていて、ベストセラーは各出版社のものと三連書店のものとがあります。写真は6/6~6/12の週間ベストセラーです。

各出版社のベストセラー
東野圭吾が2作品入っていますね。気になる钱钟书《围城》も。

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三連書店のベストセラー
こちらには三島由紀夫の作品がありますね。

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ベストセラーが並ぶ書棚

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ランキング上位に並ぶ杨绛女史は初めて知る作家です。どうやら現在フェアを行っているようでした。

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なぜフェアを行っているのか?後で調べてわかりました。この方は2016年5月25日に亡くなられた作家でした。夫は钱钟书。英語、スペイン語、フランス語が堪能で、翻訳もされていたようです。ランキング上位にある《我们三》は93歳の時に出版された散文・随筆集のようです。この方を偲ぶためのフェアだったのですね。
 
三連書店の見どころは地下1階


事前調べで1階よりも見どころは地下1階という情報を入手していたので、入店後、真っ直ぐ地下1階へと向かいます。

中国書店でおなじみの光景ですね。座り込んで読書に読みふける人は王府井書店よりも多いのに、店内はとても静かでした。

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地下1階にも杨绛女史のコーナーがありました。

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店内の様子。1階よりも広いです。写真では見えませんが、奥の方にも書棚がたくさんあります。

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訪れたのは夕方5時頃でした。王府井書店よりも狭いですが人の入りは多い印象を受けました。

読者の残したメッセージがこんなにあります。
電子書籍がどんなに普及しても、書店は文化として生き続けるのだという嬉しいメッセージを受け取りました。

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《穆斯林的葬礼》の韩新月、韩子奇も登場しています。2人を知っていることが嬉しかったなあ。

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つづく

現地の書店情報に飢えているあなたへ送る第1回・中国現地書店レポート【北京編】王府井書店 その3

王府井書店の最終回です。


刘慈欣を始めとするSF作品

国内では《三体》で有名なSF作家・刘慈欣の作品を見つけました。しかし、《三体》シリーズが見当たりません。平積みコーナーにもありません。出版されて8年近くになるので、さすがに中国では既にブームが去ったということでしょうか。

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SFコーナーの後ろ側には、謎解き物(?)コーナーがありました。上段の右側にある《余罪》は中国Amazonで上位にランキングしている本ですが、書店では陳列棚にあり、平積みされていませんでした。ちなみここでは表紙が見やすいように、このように置いています。Amazonの情報は書店よりやや遅めという印象を受けました。

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中国人はホラー好き?充実したホラー小説コーナー

怖くて中身を開きませんでしたが、ホラー小説は実に充実していますね。
ここも!

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ここも!!

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ここも!!!

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これは推理ものかな?怖そうですが。。

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そしてラストに号泣した素晴らしい作品・《狼图腾》をもじった許せないタイトルを発見しました。

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《狼图腾》は狼の知られざる賢さ、団結力、そして狼の存在ゆえに成り立つ、草原における生態系のバランスなど、それまで抱いていた狼の印象を180度変えてくれた印象深い作品でしたが、この《虫图腾》も読めば虫への見方が変わるのでしょうか?

《狼图腾》といえば別のコーナーで《狼图腾》の映画の脚本を見かけました。映画やドラマの脚本が他にもあるか見てみましたが、私が見た限りでは映像理論に関する本はありましたが、脚本は見当たりませんでした。(今回専門書コーナーは見ておらず、専門書コーナーには脚本があるのかもしれません)。

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フロアのメインの平積みコーナーにはロングヒット作品

4階のエスカレーターを降りると、目の前にはフロアのメインの平積みコーナーがあります。ここにはロングヒットしていると思われる本が散見されました。

柴静の《看见》,白岩松《痛并快乐着》,そして《狼图腾》もありますね(写真真ん中上)。こういう各フロアのメインの平積みコーナーでは必ず毕淑敏の作品を見かけます。写真ではやや見づらいですが、手前の《非洲三万里》がそうです。

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購入しませんでしたが、この本が気になりました。《如何阅读一本小说》。これは海外の翻訳本で、他の書店でも見かけました。

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こちらも気になりました。

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1階はビジネス書が中心

1階にはビジネス書が多くありましたが、その大部分は海外の翻訳本でした。中国国内のビジネス書を読んでみたかったのですが、時間切れでゆっくり見ることができず、今回は断念しました。

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購入しようか迷ったけれど、結局買わなかった本がこちら。

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インダストリー4.0関連の本を多く目にしました。
特に《工业4.0 落地之道》を購入しようか迷いましたが購入せず。

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1階ビジネスコーナーの様子。

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王府井書店では本ではない予定外の大きな買い物をしてしまいました。
これについては番外編にて(^^)

王府井書店では店内にこんな便利がカゴがあります。コロコロにもなるし、持ち上げることもできる優れもの。日本の書店にもあるのでしょうか。あったら便利ですね。


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引き続き、2軒目の書店「三联韬奋书店」を見ていきましょう。

現地の書店情報に飢えているあなたへ送る第1回・中国現地書店レポート【北京編】王府井書店 その2

引き続き、私の主観と好みを思い切り反映したレポートです。

 
不動の人気を誇る・毕淑敏

私が愛してやまない毕淑敏の作品は、いつ、どの書店を訪れても、平積みコーナーにも棚にも目立つように陳列されています。彼女は小説も散文も書きますが、王府井書店では散文を強調して陳列している印象を受けました。

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散文コーナー。

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彼女の小説は多くなく、全て読んでしまったと思っていたのですが、まだ未読の作品を見つけました。こちらも電子書籍はないため、紙の本を購入しました。

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1冊読んで魅了された台湾作家・吴淡如の本も

香港・台湾作家の作品コーナーもありました。しかも上段は私が1冊で大好きになった吴淡如の作品です。これは買わないわけにはいきません。

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良く見えるようにもう1枚。

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厳選し、《最努力的时候运气最好》を購入しました。この作家さんの作品は中国Amazonではあまりないようでした。

以前読んだ作品名は《那年我所喜欢的男孩》というエッセイ集です。その中で著者が書くことへの想いを綴った以下の文に魅了されました。

"如果你朝朝暮暮地做一件事,做了那么多年,仍然喜欢(虽然也常有一些想撞墙或丢笔的时候),可是如果不做,对它的思念就会让自己焦躁不安,那么,就是爱了吧。 很爱一件事,就算写几行也行"。

この作家さんの文章はかなり易しい方に分類されます。原書初めての方に自信を持ってお勧めできます。

日本の小説は依然として人気

日本語作品の翻訳本も平積みされていました。人気は東野圭吾、村上春樹という印象でしたが、伊坂幸太郎の本もあるのですね!(写真がぼやけてしまいました)。

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「八日目の蝉」も。

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奥から村上春樹、東野圭吾、手前の棚上段は川端康成ですね。写真見えづらいですね💦

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この棚で「おっ」と思ったのが「風立ちぬ」でした。

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日本の小説はほとんど読まないのですが、これだけ翻訳本が陳列されているのを見て、日本の作品ももっと読まないとなあと思いました。夫が伊坂幸太郎が大好きで、家にはこの作家さんの小説がたくさんあります。伊坂幸太郎から読もうかな(^^)

外れを引きたくない場合は茅盾文学奖を選ぶのもあり

どの書店へ行っても必ずある茅盾文学奖のコーナーです。

<上段>

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<下段>

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平積みコーナーまでありました。

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私が読んだ茅盾文学奖は、《一句顶一万句》,《暗算》,《尘埃落定》と少ないですが、どれも面白かったです。読んでいる途中に中だるみすることもなく、読みづらさを感じることもなく、まさに外れのない作品でした。この中で1冊選ぶとすれば、《一句顶一万句》です。生きる上でどの価値観を最も大切にしたいのか?という問いに対する答えを強烈なメッセージとして私は受け取りました(こっそり中国語版『翼』(白石一文さん)だと思っています)。

つづく

現地の書店情報に飢えているあなたへ送る第1回・中国現地書店レポート【北京編】王府井書店 その1

第1回現地書店調査、行ってきました!
今回の目的地は北京です。

目的は本を購入することはもちろんですが、一番気になっていたのは、ネット書店と現地書店の売れ筋には違いがあるのかどうか?ということ。現地書店へ行き、やはり情報量に大きな差があり、売れ筋にも時差があることを実感しました。

まず1軒目は、北京で間違いなく大型書店に属する王府井書店。
 
王府井大街の入口に位置し、地下鉄出口から徒歩2分という立地。書店の目の前にはバス停もあり、抜群のアクセスの良さで読者を魅了しています。地下1階はグルメを堪能できる美食街となっており、本を見て時間を忘れた後はここでお腹を満たすことができます。


壮観ですね。王府井書店は無料Wi-Fi、クレジットカードを使用できます。

1階にはビジネス書やベストセラーが並びます。
1番のお目当ての小説は4階とのことで、迷わず4階へ行きました。

 
目がくらむ小説・散文の平積みコーナー

各列に平積みコーナーがあります。このエリアで一体どれだけの時間を過ごしたことでしょう。朝から食わず・ほとんど飲まずで14時までこの書店にいましたが、そのうち3時間半はこのエリアにいました(楽しくて夢中になっていたので、空腹感は全然ありませんでした)。


各平積みコーナーの様子。凝った想定、可愛らしい装丁、洗練された装丁と、どんな作品であるか、装丁から想像しながら手に取る本を瞬時に決めます。

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知っている作家が多くないので、帯や裏表紙に書かれている情報を元に面白そうか判断します。平積みコーナーだけでもじっくり見ていると時間はあっという間に過ぎていきます。限られた時間の中で、私はあるコーナーに意外にも長くとどまることになりました。


中国の推理小説も平積みに

おどろおどろしい表紙から事件性の匂いを察知して最初に足を止めたのがこの推理小説コーナー。ここで想定外の長い時間を過ごすことになります。これほど多くの中国の推理小説を見る機会はこれまでなかったので新鮮でした。

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この《心里罪》がとても気になります。中国で絶賛されているよう。全5冊。

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書店内がWiFi完備だったおかけで、気になる本については都度、Kindle電子書籍があるかネットで調べることができました。《心里罪》は電子書籍がありました。しかも5冊合わせて18元!本で買ったら軽く150元くらいします。紙で読むのも醍醐味、せっかく目の前に実物もあるし・・・でも分厚い・・と散々迷い、結局電子書籍にしました。

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法医学者が書いたらしい《幸存者》,《无声的证词》などの本にも興味津々。こちらは電子書籍はないために紙の本を購入しました。

書籍名がよく見えるようにもう1枚。
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最近注目されている異色作家・冯唐の作品も

冯唐という作家さんのインタビュー動画を見たことがあり、うっすらと「官能小説を書く作家」というイメージだけ残っていました。その人とアマゾンでも上位にランクインされている《活着活着就老了》の著者が同一人物だと気が付いたのは書店に着いてしばらく経ってからのこと。

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中国の書店で、棚を一段占有しているということは、現在売れている作家ということですね。どうやらこの方、”医学博士”、”元マッキンゼー”、”作家”という3つの肩書を持っているようです。


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ネットで電子書籍があることを調べ、この4冊の電子書籍をセットで買いました。
(写真は本レポート用に私が勝手に陳列しています)。

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つづく

デタラメな翻訳を見ていられない!と起業した宋さん(中国語通訳・翻訳のエキスパート)によるインバウンドセミナー 「多言語対応の注意点および海外SNSの集客力徹底研究」

インバウンドがますます盛んになる昨今、
駅や空港、観光地であれ?という表示を見かけることはありませんか。

国内では中国語、中国では日本語。
ぱっとみて文法の誤りが歴然としているもの、
ネイティブであればそうは言わない言葉なのが、堂々と記載されているのを見かける度に、
「もうひと手間かけて(もう少しお金を払って)ネイティブチェックさえすればもっとよくなるのに」と残念に思うのは私だけではないのではないでしょうか。

不完全な翻訳からあまりにデタラメな翻訳に憤りを感じるのも翻訳者としては当然なことと言えます。

そんな中、「こんな現状見ていられないわ!」という熱い想いで起業された、宋憶萍(ソウイピン)さんが、明日インバウンドにまつわるセミナーを開催されます(急な告知ですみません)。

宋さんはかつて通訳スクールで共に勉強した同学であり、通訳者仲間でもあります。

テーマは宿泊施設における「 多言語対応の注意点および海外SNSの集客力徹底研究」。


・多言語対応で具体的にどんなことに取り組めばよいのか?
・機械翻訳とクラウド翻訳はどこまで通用するのか?
・最近話題の海外SNS特に中国の微信(Wechat)よびその集客力とは?

外国人観光客を受け入れるためのインバウンド対策の一環として、これから多言語化に取り組む中で、心がけておきたいポイントを翻訳・通訳のエキスパートが解説します。


6月21-22日の「国際ホテル旅館フェア2016」開催期間中のセミナーです。

■日時:6月22日15:45~16:45
■場所:ビッグサイト

セミナーは無料ですが、事前登録が必要になります。
ご興味ある方は是非ご参加ください!

事前登録ページ

宿泊経営セミナー・講演者一覧

Kindle paperwhiteを買いました!

やっと購入しました!

Marie師匠にアドバイスをいただき、早速数冊買ってみました。



電源オフ画面が、毎回変わるのがお気に入りです。

【原書会に参加された皆様の声をまとめてみました】

こちらのページでは、中国語の原書会に参加された皆様の声を中心に紹介しています。

「原書会には興味はあるけれど、参加するのを迷っている」
「原書会に参加するとどんな変化を感じられるのか知りたい」
「原書会の雰囲気について参加された方の感想を聞いてみたい」
とお考えの方の参考になれば幸いです。

参加された皆様に感想を聞く試みは、第9回原書会より始めました。
今後はこちらのページに皆様の声をまとめていきます。



Q1 原書会に参加したから達成できたことはありましたか?
(または、参加を決めていなかったら、まだやっていなかっただろうと思えること、達成できていなかっただろうと思うことはありましたか?)


原書会に参加することを決めて、とにかく、「原書を読んで参加しなければ」と毎日スケジュールを決めて原書を読んでみました。最初は、遅々として進まず、少々焦りましたが、Ayumiさんがブログでおっしゃっていたのは本当で、読み進めていくうちに、内容に魅せられ、読むのがだんだん早くなっていく感じがしました。「意外と読めますよ」というお話は本当だったと思いました。

私は最初、オブザーバーでの参加を申し込んだのですが、たまたま空きがなく、Ayumiさんにお勧めいただき、普通の参加者となりましたが、正解だったと思っています。もし、オブザーバーであれば、プレッシャーがないので、こんなに必死には読まなかったと思うからです
英語の原書は多少読んでいたのですが、中国語の原書を読むことは、英語とは違った喜びがありました。初心者がいうのもおこがましいのですが、なんとなく中国語の表現の豊かさと深さを感じることができ、世界が広がったように思いました。

また、単なる錯覚かもしれませんが、原書を読み通した後、リスニング力が心持ち、上がったように感じました。会に参加した後、早速、原書を買いに、専門書店に行きました。Ayumiさんがおすすめの「床畔」も購入しました。

読みたい本が机の上で待っているというのは、いいものですね。

Q2 原書会に参加しようと思った理由や動機はどんなものでしたか?もし以前参加を迷われていた場合、今回参加に踏み切った背景にはどんな理由がありますか?

中国語は、数年前から独学で勉強し始めました。中国人の知り合いはそれなりにいるのですが、日本にいる中国人の日本語のレベルはとても高く、中途半端に勉強しているだけでは、中国語を使う機会もなく、このままではだめだなと思いつつ、日常の忙しさにかまけて、進歩がないのが悩みの種でした。

いつもAyumiさんのブログを拝読して、原書を読むことの楽しさや意義は分かっていたのですが、レベルが高そうだと思って、躊躇していました。

今回参加に踏み切ったのは、少し時間に余裕ができたことと、一応目標としていた試験などに合格できて、今後は中国語をもっと純粋に楽しみたいと思ったからです。まだまだ皆さんのレベルにはとても及びませんが、少しずつ、有意義な情報が提供できるようになりたいと願っております。


Q3 原書会や私についての印象・ご感想・メッセージなどがありましたらお願いいたします。

原書会に参加された皆さんは、とても、熱心で、中国語に情熱をお持ちで、刺激を受けました。ご紹介いただいた原書もSFから文学、自伝、ハウツーものなど範囲が広く、どれも読んでみたいと思う本ばかりでした。初めての参加者も暖かく迎えていただけて、楽しかったです。

これは、主催されているAyumiさんのお人柄によるところが大きいと思いました。ご自身はプロの通訳者・翻訳者でいらっしゃりながら、初心者にも気を使っていただき、気兼ねなく話ができる雰囲気を自然に作っておられました。なかなかできることではありません。

お仕事や子育てなど大変かと思いますが、無理なさらない範囲で、今後とも会を継続していただけることを願っています。

(温泉乡さん)




 

Q1 原書会に参加したから達成できたことはありましたか? (または、参加を決めていなかったら、まだやっていなかっただろうと思えること、達成できていなかっただろうと思うことはありましたか?)

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原書を一冊も読み終えられていなかったことで自信がなくなっていたのですが、今回の原書会に参加し、日本の方目線で原書の選び方を教えてもらえたことが一番の収穫でした。 参加していなかったら、きっと原書を読むこと自体あきらめていたと思います。リアルな交流ができる場所がありそれに参加できる機会を頂いたこと、あゆみさんにとても感謝しています。



Q2 原書会に参加しようと思った理由や動機はどんなものでしたか?もし以前参加を迷われていた場合、今回参加に踏み切った背景にはどんな理由がありますか?

--
あゆみさんのブログに出会えた事がきっかけでした。 あゆみさんの影響で原書を読み始めたのに、半年たっても一冊も読み終えられないことについて、現状を打破したいという気持ちがありました。 実際に参加し、原書をたくさん読まれている方にお会いして、私も自分の口で本の紹介をしてみたいという気持ちにもなりました。今回感じた気持ちは、きっとこれからの原書を読む原動力になると思いました。

Q3 原書会や私についての印象・ご感想・メッセージなどがありましたらお願いいたします。


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今まで雲の上の存在だったあゆみさんとお会いすることができ、とても嬉しかったです。
また、1冊も読み終えてない私が原書会に参加するなんてと不安いっぱいでしたが、読み終えられないと悩みを打ち明けたことで皆様から暖かいアドバイスをいただけて、とても感動しました。

参加して本当に良かったです。ありがとうございました!


小桃さん






Q1 これまで複数回原書会に参加したから達成できたことはありましたか?
(または、参加していなかったら、まだやっていなかっただろうと思えること、達成できていなかっただろうと思うことはありましたか?)


⇒ 毎日少しずつでも原書を読む事が習慣になりました。
参加前は途中で読むのをやめてしまう事がよくありましたが、参加後は最後まで読み通せるようになりました。


Q2(初めて参加された時を振り返り)原書会に参加しようと思った理由や動機はどんなものでしたか?


⇒ あゆみさんが初めて開催された原書会に参加させていただきました

原書を読む人がまわりにあまりいなかったので、皆さんがどのような本を読んでいるのか、またどのように読む本を選ぶのか?を知りたかったのが一番の動機です。


Q3 原書会や私についての印象・ご感想・メッセージなどがありましたらお願いいたします。


⇒ 毎回非常になごやかにフレンドリーな雰囲気でくつろいで参加しています。

レベルの高い方が多いので、最初は自分が参加することで場を乱すのでは?と躊躇しましたが、「原書を読むのが大好き」ということで集まっているため、レベルうんぬんは関係なく毎回楽しませていただいてます。 

また、あゆみさんも物柔らかでありながらてきぱきと進めて下さるので中だるみもなくスムース進行していきさすがだなあといつも感心します。

これからもまた、機会がありましたら参加しようと思っておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

ぺりおさん




Q1 これまで複数回原書会に参加したから達成できたことはありましたか?

(または、参加していなかったら、まだやっていなかっただろうと思えること、達成できていなかっただろうと思うことはありましたか?)

 

A1 本を選択する場合の視野を広げることができたこと(自分が今まで見向きもしなかった本にも目が行くようになりました)。また、できるだけ早く次の本を読もうと心がけるようになったことです。

 

Q2 (初めて参加された時を振り返り)原書会に参加しようと思った理由や動機はどんなものでしたか?

A2 最初は東京に単身赴任で時間があったということと、皆さんがどんな本を読んでいるのか興味本位で参加しました。

Q3 原書会や私についての印象・ご感想・メッセージなどがありましたらお願いいたします。

A3 いつもお手数をおかけして申し訳ありません。
今回本の紹介を先に集中的にやって、時間が残れば自己紹介に対する質問等を行いましたが、この方法は効率がよく、短い時間を効果的に利用できるように思いました。(自己紹介リストを事前に配っているので、再度自己紹介をしてもらう必要はないですね。)

ねずみのチュー太郎さん

 


Q1 原書会に参加しようと思った理由や動機はどんなものでしたか?もし以前参加を迷われていた場合、今回参加に踏み切った背景にはどんな理由がありますか?

中国語の原書は持っているのだけれど、なかなか読み通すことができないで積読の状態が続いています。

余華の「活着」「兄弟」「第七天」も買ったし、「平凡的世界」や「ムスリムの葬礼」など中国の友人から勧められたもの、21世紀資本論」など、かなりのボリュームのものも書架に並んでいます。また、自分のタブレットやスマホにはキンドルアプリがインストールされていて、渡辺淳一や東野圭吾など日本の小説の中文版翻訳や、柴静の「看見」、白岩松の「幸福了?」など話題になったタイトルの電子版もダウンロードされているのですが、読了したタイトルは1冊もないし、1ページすら読んでいないタイトルもあります。(-_-;)

その原因を自分なりに考えてみれば、

1 自分の中国語力と原書の難易度との差が大きい。

2 自分が関心を持つ分野の内容ではない。

3 加齢による集中力の低下。

などがまず思い浮かびました。

他の皆さんは、どうやって中国語原書を読んでいるのか気になっていたところ、普段、中国語の学習法を参考にしている、あゆみさんのブログで中国語原書会開催のお知らせをみつけ、これ幸いとばかり早速申し込みました。


今回はオブザーバーとして参加したので、とても気楽な立ち位置でした。

 

事前に本を読む必要もなく、当日会場に行って参加者の話を聞いていればOKという

ポジション。自分にはぴったりでした。

あゆみさんやほかの方もおっしゃっていたように、日本の小説の中国語版を読むとよいとのアドバイスをもらったので、さっそくキンドルに入っている、タイトルを読み始めました。確かに内容がスッと入ってくる。これはいいと、すきま時間を利用して読み進めています。

 

機会があったら、今度はオブザーバーではなく、一参加者として読後感を語ってみたいです。 


Q2 原書会や私についての印象・ご感想・メッセージなどがありましたらお願いいたします。

原書会を主催する、あゆみさんにまずは感謝です。無理のない範囲で今後も会を開催してもらえると嬉しいです。これからもよろしくお願いします。

(漢語学習者さん)


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