《小团圆》を3分の2まで読みましたが、読むのを止めました。訳が分からないからです。
これまで原書を読んでいて、これほど理解できなかったことはなかったので、語学力の問題ではないことはわかりました。語学力の問題ではないということは、もしかしたら中国人でも挫折するのではないか?と思い、調べてみたところ、まさにその通りでした。
《小团圆》は、张爱玲が生前最後に書いた小説ですが、読んでいて、推敲を重ねて書かれたものとは到底思えません。人物の説明なしに、次々と色々な人物が登場し、早々から読者を置き去りにしていきます。著者の一生を綴ったもののようで、母親・叔母と恋人の描写にページが割かれており、特に母親と叔母に関する描写が大部分を占めます。
之壅は著者の恋人・胡兰成,久莉は张爱玲。之壅も半分あたりで唐突に登場します。ストーリーの前後関係は考慮されず、まるで著者だけが理解できる日記を読んでいるような気にさせられます。
张爱玲の作風がこういうものなのだろうかと思いましたが(そうであれば広く読まれるわけはないので、きっとそうではないと思いました)、これ以前の作品はもっとわかりやすいようで、この作品が例外のようです。
散文や、《倾城之恋》、《半生缘》から入るのがおすすめだとか。著者の作品を読み、経歴を十分に理解してから《小团圆》を読むと、なんとか理解できるそうです。それでもスムーズではないようですが。
《倾城之恋》と《半生缘》は持っていませんが、機会があればこちらから再挑戦してみます。
186ページで放棄!